新本格ミステリに拘泥する (休止中)

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zoom RSS 093 『人格転移の殺人』 西澤保彦

<<   作成日時 : 2010/02/06 02:37   >>

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★★★★
主人公の苫江利夫は、あるハンバーガーショップで大地震に見舞われる。そこにいた6人は建物内にあったシェルターに避難するが、そこで「人格転移を起こす」という装置に入ってしまう。その人格の移動(マスカレード)は、順番こそ決まっているが、そのタイミングは分からない。そんな状況で助け出された6人は、秘密施設に隔離される。だが、そこで殺人事件が起こってしまう。
「誰の心が誰の体を使って殺人を犯したか」、そして「誰の心or誰の体を狙って殺人を犯したか」それを解明する推理が始まる。それにしても、作者の創り上げるSF装置や状況・超能力よりも、そこに巻き込まれる人間の方が現実離れも甚だしい、と感じる。「登場人物のほとんどが人格破綻者ではないか」、という作品もある。

これもどこかからの引き移しのような文章なのだが、この頃デビューした作者たち(森・京極・清涼院など)は、「現実と虚構の線引き」に無頓着であるように感じる。それまでの「本格ミステリ」が、それであるが故に生まれてしまう「境界」をどうにか小さく、曖昧にしようと、つまりは「現実との繋がり」を何とか確保しようとしているのに対して、このあたりの作者以降それを初めから放棄している(考慮していない)とうつる。そして西澤は、特に「人間の虚構性」に対して無頓着であるような…。
この「人格転移マシーン」はそんなことを象徴しているようにも見える。サゲは好き、美しいと思う。

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