新本格ミステリに拘泥する (休止中)

アクセスカウンタ

zoom RSS 200 『神のロジック 人間(ひと)のマジック』 西澤保彦

<<   作成日時 : 2010/06/02 01:59   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

★★★★☆
「本格ミステリそのもの」といえる程、ごく中心的な題材・舞台設定・構成・トリック等々を使いながら、文字通り「恐ろしいほど」、マクロで引いた視点から「本格ミステリ」を描いた作品、だろうか。
あまり「あらすじ」的なものを書くのは好きではないのだが、今作では必要があると思うので。舞台は「謎の学校」、そしてクローズド・サークルモノ。主人公たちはその閉じられた「学校」に世界各地から連れて来られ、奇妙な「犯人当てクイズ」を課され続けている。そこに新たに一人の新入生が加わった時、「学校」は崩壊を始める…。
今作については、かなり「ネタバレ」に近い位置まで踏み込んで感想を書くので、未読の方は注意してほしい。

作品全体に「トリック」が仕掛けられているタイプの作品だが、それ自体はそれ程「新奇なもの」とはいえないだろう。だが、使い方のオリジナリティは高く、十分に「伏線」は張ってあり、ラストでの「驚き」は特大。

「登場人物」は、「トリック」に奉仕するための「記号」としてのみ描かれている。これは「本格ミステリ」としてはごく普通だし、セオリーでもあるのだが、それがこの「学校の崩壊」をもたらす元凶となるのだ。
そしてこの作品では「学校の崩壊」が、即「物語の崩壊」、ひいては「本格ミステリという構造の崩壊」にまで繋がって描かれている。「記号(=登場人物)」が、「記号」としての役割を「完全に果たす」そのことが、物語自体を「崩壊」させてしまう。いやそれどころかその「成立」すら危ぶませてしまう。これは全く致命的な問題なのだ。

メイントリックであり、この「学校」を支配する「共同幻想の在り方」は、そのまま「本格ミステリ」と呼ばれている「共同幻想の在り方」にオーバーラップされてしまう。「本格ミステリ」の、ごくごくプリミティブな、「ルール」とも言えないほど根幹にある「登場人物の記号化という構造」を、完全に徹底した“だけ”で、この「本格ミステリ」は「崩壊」してしまう。
そうでなくても「本格ミステリ」はあらゆる所から崩れ、崩されつつあるというのに…。
我々の「ファンタジー」は、いつまで続くのだろうか。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
フェラガモ 店舗
200 『神のロジック 人間(ひと)のマジック』 西澤保彦 新本格ミステリに拘泥する (休止中)/ウェブリブログ ...続きを見る
フェラガモ 店舗
2013/07/03 09:40

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
200 『神のロジック 人間(ひと)のマジック』 西澤保彦 新本格ミステリに拘泥する (休止中)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる