№138 『被害者は誰?』 貫井徳郎

★★★
この著者による、「一番本格的な短編集」ではないか、と思う。(個人的には作者を初めて読んだ作品)
文章は常に「理」に適っており、「本格ミステリのコード」の内でありながら読みやすい。「謎」自体は大きくないが(短編なので)その「解決」は非常に美しい。

体裁としては“頭脳も美貌も態度も規格外のミステリー作家 吉祥院慶彦”が謎を解く、4作からなる連作短編集。だが、そのタイトルは「被害者は誰?」に始まり「目撃者は誰?」「探偵は誰」「名探偵は誰?」と、この時点でマニアなら尋常ならざるものを感じるだろう。そして、読み進め、それぞれの「解決」にたどり着いたなら例えマニアであってもうなるだろう。(イコール「詳しいことは書けない」)
自分の感想としては、ちょっと「人間の描きかた」が肌に合わない。「よく描けている」と言われればそうなのだろうが、「本格ミステリ」のそれとは少しズレており、そこに違和感を覚えてしまった。

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