新本格ミステリに拘泥する (休止中)

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zoom RSS 188 『瞬間移動死体』 西澤保彦

<<   作成日時 : 2010/05/21 00:48   >>

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★★★
「タイトルに偽り無し」の、作者の土俵、SF設定を取り入れた本格ミステリ。
さて今回の「設定」は…。主人公は「テレポーテーション」が使える、そして主人公自身が犯罪を計画する、つまり「倒叙モノ」でもある、普通なら(?)完全犯罪が成立して終わりだろう。
当然のことながらここからが西澤保彦、このテレポーテーション能力は欠陥だらけである。まずテレポーテーションの「燃料」としてアルコールが必要なのだが、主人公は極端な下戸であるということ。次にテレポート先に何も持っていけないということ、服さえ脱げて裸になってしまう。最後に、自分と入れ替わりに、テレポート先にある何かがひとつこちらに来てしまう、ということ。さて皆さん、こんな「能力」があったとしたらあなたならどんな風に「役立て」ますか?。

ともかく。犯罪は迷走し、犯人=主人公は「推理」を余儀なくされる。
更に本作には「匠千暁シリーズ」に通ずる、極端にゆがんだ心理を持つ強烈なキャラクターとその行動様式も材料として「ロジック」に組み込まれる。ちなみに個人的には、この「SF設定」より「人物設定」の方が「信じられない」。「そんな能力あるかよ」と思うより、「そんな人間いるかよ」と思うのだが…。

それにしても、この作者の「フェアさへの執着」は凄まじい。それがなくてのSF設定本格ミステリなんて存在しえないのは確かなのだが…。それを一番思うのは、ラストで「悔しさ」を感じる時。「悔しい」ということは、伏線は見えているし十分なヒントもあるし、「もう少し考えれば真相にたどりつけた」と思う、ということである。こんなに「非常識」なストーリーでありながら、である。そしてそのバランスで書く姿勢、読者に対するフェアな態度が「凄まじい」と感じるのだ。

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